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ブーム再到来必至、「フェルメール展」の見所3点!

 

10月5日 (金) 〜 2019年2月3日 (日)に上野の森美術館で、現存する三十数点のフェルメール作品のうち、なんと9点も展示される日本史上最大の特別展が開催されます。

 フェルメールの「真珠の耳飾りの少女」は、日本でもかなり有名で、写真などで一度は見たことあるのではないでしょうか。今回はこの作品は来日しないらしいのですが、フェルメールっていう人物は、かなり人気ですよね。世界の画家の中で、三本の指に入るくらい日本では知名度の高い画家なのではないのでしょうか。

 美術に疎い友達も、名前だけは知っていたり、作品は1,2点見たことあったり、などが起こるので相当なものです(笑)。

そこで今回は、10月5日 (金) から始まる「フェルメール展」に向けて、見所などを自分なりに予習してみたいと思います。(自分の場合、知識ゼロで美術作品を見ても、あんまりピンとこないので…泣)文献などで調べていくと、フェルメールの作品は三つの特徴があると感じました。

 ①光の魔術師

ヨハネス・フェルメール(1632~1675)は、「光の魔術師」と称されるほど、反射光と照射光の描写の緻密さ、優しく穏やかな光の表現が秀逸であると言われています。

 窓から差し込む光、そして影になっている部分の色の深さ・明るさは絶妙というかまさにこれしかない感じがしますよね。

今回来日する作品のうちでは、「牛乳を注ぐ女」に注目してください。

窓からの照射光が程よい明るさに見えますが、これは観察した光ではなく、意図して作られた光であると言われています。よく見てみると、窓に近い壁を暗く、窓から遠い壁を明るくしていることに気づくと思います。これは窓辺に立つ人物がくっきりと浮き立つように操作しているのです!

また、かごやパンに当たる光にも注目。壁にかかる金属容器や女性の顔、頭巾などは観察した光のようですが、このかごやパンだけ、少し明るすぎると思いませんか?

つまり、そこに弾けている光というのは、ここに光がほしい、そうすればあたりが明るくなって、見る者の視線が集められるというフェルメールの思いが感じられますよね。

 以上のように、フェルメールにとって光というのは、単に観察して描いているものではないということがうかがえますよね。光を巧みに操ることで、自分の描きたいイメージ・テーマを表現する道具なのではないでしょうか。

 ②大航海時代

 フェルメールは17世紀に生きたオランダの画家だけあって、その絵に映り込んでいる品々は、地球儀であったり、中東・中国からの輸入品であったりと、大航海時代を象徴するものです。

今回来日する作品のうちでは、「真珠の飾り」(㊟真珠の飾りの少女ではないです、私は一緒だと勘違いしていました…。)の左端のツボは、明から輸入した磁器と言われています。

真珠の首飾り

それにしても地球儀を描くということ自体、地球の形への知的好奇心(天動説の否定)・新たな領土への野望・好奇心などがうかがえますよね!

 ③厳しい競争市場

 3つ目も時代背景が関係してきます。当時のオランダでは画家の数・総制作点数が飽和状態になっていたそうです。オランダを旅した17世紀のイギリス人著述家、ジョン・エヴァリンが、「オランダでは絵画が至る所にある。普通の商人で絵を家に飾ってないものなどほとんどいない。」と書くほど!

 また、プロテスタントである市民社会のオランダでは、他のカトリックのヨーロッパ諸国と違って、厚い庇護を約束しくれる貴族・王侯はほどんどいなかったそうです。

 つまり、オランダ画家たちは、美術市場に出品するしかなく、かなり激しい競争下に置かれていたことになります。

 それでフェルメールの作品にどのような影響があったのか?

まず顕著に表れているのは、構図やモティーフ、似たような女性のタイプが繰り返し彼の作品に使われていることです。これは、制作の能率化・そして自分のブランディングの試みでだと言われています。一定のフォーマットができていれば、細部の描きこみや、光の表現などに一層時間と精力を注げますよね。

また、購買者にもフェルメール独特の型・雰囲気を知ってもらえると思います。
(フォトグラファーも自分の作風・ブランディングが大事なので、とても共感できました。)
今回来日する作品では、すべての作品が一室に配置される贅沢な部屋があるみたいなので、俯瞰して比べてみるとわかると思います。(私もかなり楽しみです。)
私はこの説明を聞いたとき、かなり納得したというか、アハ体験をした印象を覚えています。

 

 

 

 確かに考えてみると、フェルメールの作品って、構図が似た作品が多いですよね。
左側に窓があり、その中心に女性が立ってたり、座っているというのが、印象に強いです…。
それが、自分のブランディングや能率化のためと聞いて、かなり親近感がわきました。
フェルメールといえど、市場の動向を見て、商売のためにも描いていたのですね!

 

 

 

以上、簡単ではありますが「フェルメール展」を見に行くにあたり、事前の基礎知識を予習しときました。参考にしていただければ幸いです。

参考文献:
赤瀬川原平『 赤瀬川原平が読み解く全作品 フェルメールの眼』 
講談社; 新装版 (2012/6/16)
小林賴子『もっと知りたいフェルメール 』 
東京美術; 改訂版 (2017/7/31) 

 

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