構造転換の予兆

都市の夜景とデータストリームの融合(経済の鼓動)

——高市政権・中国海洋進出・長寿社会を3つのシナリオで読む

地政学×投資レポート #02

2026年2月18日

📊 今日の市場スナップショット(2026年2月18日 午前10時時点)

  • ドル円: 153円台前半
  • 日本10年金利: 2.1%台前半
  • 日経平均: 5万7000円台

153円台という一段の円安と、2.1%台に乗せた金利上昇が同時進行する中、日経平均は5万7000円台という歴史的な高値圏で推移している。 通常、これほどの金利上昇は株式市場の重しとなるセオリーだが、市場は地政学的な「リスク」を織り込みつつも、新政権による「国家主導の投資拡大」への期待感を極めてポジティブに評価し、資金を投じているように見える。


① 今日のニュース要点(事実整理)

・第2次高市内閣が発足見通し。「コストカット型経済からの脱却」と給付付き税額控除が柱。
・東シナ海の日中中間線付近に中国漁船約2000隻。グレーゾーンでの圧力。
・トランプ政権、日本に対し80兆円規模ともいわれる対米投資を要求。
・老化を「治療対象」と捉える医療進化。人生100〜120年時代の現実味。

一見ばらばらだが、共通する軸がある。


② 定量で見える構造変化の兆し

  • 153円台の円安定着 → 一時的な投機ではなく、「構造的な日米金利差」の継続と、グローバルな資金フローの変化を市場が織り込んでいる状態。
  • 日本10年金利 2.1%台への上昇 → ゼロ金利時代からの完全なレジームチェンジ。「国家財政の拡大(防衛費や国策投資)」と「国内インフレの定着」を、債券市場が静かに、しかし確実に意識し始めている。
  • 金利上昇下での日経平均5万7000円台 → 通常、急激な金利上昇は株式市場の重しとなるが、現在の市場はそれを力強く跳ね返している。これは、新政権の「コストカット型から投資型への転換(アニマルスピリッツの復活)」を、市場が極めてポジティブに評価している強力なサインと言える。

一見すると矛盾するようなこれらの数字の組み合わせは、「金利のない静かな日本」が終わり、「インフレと国家主導の投資が牽引する新しい経済体制」へと作動原理が変わったことを雄弁に物語っている。


③ 定性で見える構造変化

変化①:国家が再び投資主体になる

平成の「縮小均衡」から、国家主導の資本配分へ。
防衛・半導体・資源など、戦略分野への集中投資は一過性ではない可能性がある。

変化②:グレーゾーン戦争の常態化

軍事衝突未満の圧力が日常化する。
安全保障は「イベント」ではなく「常態」へ。

変化③:時間軸の延長

長寿化が現実味を帯びる。
個人も企業も、設計すべき時間軸が伸びている。


④ 3つの未来シナリオ

■ Base(最も現実的)

国家投資拡大と安全保障の常態化が続く。
円安基調は維持。防衛・資源・半導体分野は緩やかに強化。

■ Bull(上振れ)

対米投資が技術覇権の主導権につながる。
日本企業がサプライチェーンの中核へ。株式市場に再評価。

■ Bear(下振れ)

財政負担増大で金利急騰。
円安進行と輸入コスト上昇が家計・企業を圧迫。

重要なのは、どれかを断定することではなく、
どのシナリオに備えるかだ。


⑤ 投資テーマとしての翻訳

防衛

正面装備だけでなく、通信・ドローン・海保領域。
「安全保障の産業化」という長期構造で見る。

資源・商社

エネルギーと重要鉱物は国家案件へ。
商社は「国家の調達代理人」としての役割が強まる可能性。

セキュリティ・半導体

デジタル管理強化と国家投資の継続。
技術覇権は10年単位のテーマ。


⑥ 経営者・個人事業主への示唆

・税・再分配ルールの変化に備える
・マイナンバー連携時代の透明性管理
・人生・事業の時間軸を伸ばす設計

100年時代において、「短期最適」は危うい。
短期的な売上だけでなく、10年後も陳腐化しないスキル(人的資本)への投資比率を上げる。


⑦ 私のスタンス

私は、ニュースを値動き予測の材料ではなく、
世界の作動原理が変わる兆しとして読む。

防衛株を一気に買う、商社に集中する——
そうした短絡的な判断よりも、

「国家の復権」「安全保障の日常化」「時間軸の延長」

この3つを理解し、静かに備えることのほうが重要だと考えている。

予測は当てるためではなく、備えるためにある。

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