14日の東京株式市場で日経平均株価は4日続伸し、前日比405円21銭(0.59%)高の6万8713円80銭で取引を終えました。
ただ、今日の相場で重要なのは「日経平均が上がった」ことだけではありません。上昇分の約93%を技術セクターが占めた一方、TOPIXも最高値を更新し、東証プライム市場では7割超の銘柄が上昇しました。
つまり、日経平均は一部の技術株への依存度が高かったものの、日本株全体の地合いも強かったという二層構造です。一方、日経平均は午前に一時約1300円高まで上昇した後、午後には上げ幅を大きく縮めました。
今日は、この「強さ」と「偏り」が同時に起きた理由を整理します。
日経平均は一時1300円高、それでも午後に失速
日経平均プロフィルによると、日経平均は6万8811円17銭で寄り付いた後、午前9時39分に6万9608円24銭まで上昇しました。前日比では一時1299円高です。
しかし、その勢いは続かず、午後2時9分には6万8471円15銭まで下落。終値では405円21銭高まで上げ幅を縮めました。
14日は8月限のSQ(特別清算指数)算出日でもあり、日本取引所グループが公表した日経225のSQ値は6万9702円13銭でした。日中高値がSQ値に約94円届かなかったため、一般に「幻のSQ」と呼ばれる状態です。
もっとも、午後の失速をSQだけで説明するのは適切ではありません。週末を前にした利益確定に加え、日経平均が7万円に近づくなかで高値警戒も意識されました。ロイターも、週末要因や高値警戒による利益確定売りが上値を抑えたと伝えています。
朝方の勢いがそのまま「さらに上を買う動き」にはつながらなかった。ここが今日の一つ目のポイントです。
上昇405円のうち、約379円は技術株
二つ目は、日経平均の上昇がどこから生まれたのかです。
日経平均の日次データを見ると、14日の技術セクターの騰落寄与度はプラス378円70銭。日経平均全体の上昇405円21銭の約93%に相当します。
技術セクターの指数ウェートは56.54%ですから、もともと影響力が大きいとはいえ、今日はそれ以上に上昇を担いました。
けん引役となったのは、アドバンテストやソフトバンクグループ、キオクシアホールディングスなどAI・半導体関連株です。前日の米国株高やAI関連株への買いが支援材料になり、東京市場でも成長期待の強い銘柄に資金が向かいました。
「日経平均が405円上がった」という数字だけを見ると日本株全体が均等に買われたように見えますが、指数への寄与という意味では、かなり技術株に偏っていました。
それでも「一部の大型株だけの上昇」ではなかった
ここまでなら、よくある「半導体株だけで指数が上がった日」に見えます。
しかし、今日がおもしろいのはその先です。
TOPIXは前日比21.16ポイント(0.51%)高の4197.20で8日続伸し、終値の最高値を更新しました。東証プライム市場では値上がり1124銘柄に対し、値下がり401銘柄。全体の72%が上昇しています。
業種別でも、東証33業種のうち19業種が上昇しました。その他製品が5.12%高、海運業が3.20%高、鉱業が2.21%高、情報・通信業が2.16%高となっています。
つまり今日は、
「日経平均への寄与は技術株に集中していたが、市場全体の上昇はそれなりに広かった」
という相場でした。
日経平均の「偏り」と、TOPIXや値上がり銘柄数で見る「広がり」は、分けて考える必要があります。
金利は小幅上昇、それでも銀行株はさえず
もう一つ注目したいのが金融株です。
銀行、証券など金融関連株の一角は、市場全体が上昇するなかで弱い動きとなりました。
一方、日本の10年国債利回りは2.88%近辺と、前日から小幅に上昇しました。つまり「金利が下がったため銀行株が売られた」という単純な構図ではありません。
ロイターは、日銀の早期利上げ観測がくすぶるなかで円金利が上昇した一方、銀行株にはすでに金融政策正常化への期待がある程度織り込まれているとの見方や、AI株が弱かった局面で金融株に逃避していた資金が巻き戻されたとの観測を伝えています。
ここから言えるのは、金利と銀行株が今日は素直に同じ方向へ動かなかったということです。
一日の動きだけで「金融株からAI株への資金移動が起きた」と断定することはできません。ただ、金利そのものより、直前まで買われていた業種から別の業種へ資金が移った可能性を見る必要がある日だったとは言えそうです。
為替も大きな方向感は出ておらず、ドル円は159円台前半で推移しました。株・金利・為替が一つの材料にそろって反応した日ではなかったことも、今日の特徴です。
朝から変わったのは「米国材料への反応の出方」
今朝の時点では、米CPIやPPIを受けた米金融政策観測と、それが日本株にどう波及するかが重要な論点でした。
実際には、東京市場で最も目立った反応はAI・半導体関連株に現れました。一方で、日本の長期金利やドル円が大きく一方向へ動いたわけではありません。
夕方になって分かったのは、米国発の材料がすべての市場を同じ方向へ動かしたのではなく、株式市場、とりわけ成長期待の強い銘柄への買いとして強く表れたということです。
朝にニュースを確認するだけではなく、「そのニュースに市場が実際どう反応したか」まで見ることで、その日の相場の意味は変わってきます。
今夜は米小売売上高、月曜は「7万円」だけを見ない
次の東京市場は8月17日(月)です。
まず確定している予定として、今夜21時30分には米国の7月小売売上高、23時には8月のミシガン大学消費者信頼感指数速報値が発表されます。米国の個人消費やインフレ期待を確認する材料として、米金利やドル、株式市場の反応を見ておきたいところです。
なお、米7月輸入物価指数の発表は今夜ではなく、8月18日21時30分です。
週明けの日本株で確認したいのは、日経平均が7万円に届くかだけではありません。
今日のように技術株が指数を押し上げながら、TOPIXや値上がり銘柄数もついてくるのか。それとも、指数だけが先行する相場に変わるのか。
さらに、日本の長期金利が大きく動いた場合、今日弱かった金融株が反応するのかも重要です。
指数の数字だけでなく、「誰が指数を上げているのか」「何銘柄が一緒に上がっているのか」「資金がどの業種へ移っているのか」。
この3つを分けて見ると、今日のような相場はかなり理解しやすくなります。
本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。
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