米国は利上げ警戒後退、日本は利上げ観測強まる──日経784円高でも午後に伸び悩んだ8月13日

米国の利上げ警戒後退と日本の利上げ観測の強まりをテーマに、日銀本店を背景に「日経784円高も午後は伸び悩み」と示したThe Kyo Timesのサムネイル画像

13日の東京市場では、半導体株が買われ、日経平均株価は3営業日続伸しました。ただし、今日のポイントは「株が784円上がった」ことだけではありません。

前夜の米CPIを受けてアメリカの利上げ警戒がやや後退する一方、日本では企業物価の高止まりと午後の日銀早期利上げ報道が意識されました。

米国では利上げ警戒が後退し、日本では利上げ観測が強まる。

方向の異なる二つの金融政策観測が、半導体株、銀行株、国債、円にそれぞれ違う形で表れた一日でした。

午前の主役は半導体株だった

日経平均プロフィルによると、13日の日経平均は前日比784円53銭(1.16%)高の68,308円59銭で終了しました。高値は朝9時21分の68,799円71銭です。

TOPIXも37.04ポイント(0.89%)高の4,176.04となり、7営業日続伸。最高値を更新しました。東証プライム市場では1,010銘柄、全体の64%が上昇しており、株高は一部の値がさ株だけに限られていたわけではありません。

それでも、日経平均を最も強く押し上げたのは半導体を含む「技術」セクターです。日経平均プロフィルでは、技術セクターだけで指数を825円40銭押し上げています。

背景には前日の米国市場がありました。Reutersによると、米7月CPIが前年比3.4%と前月から小幅に鈍化したことでインフレ懸念が和らぎ、フィラデルフィア半導体株指数(SOX)は2.5%上昇。アドバンテストなど日本の半導体関連株にも買いが広がりました。

今朝の朝刊で整理した「米CPI後に9月の米利上げ警戒がやや後退した」という材料は、前夜の米ハイテク株高を通じて東京市場にも波及した格好です。

その裏で、日本では利上げ観測が強まった

ただし、日本側では朝から別の材料が出ていました。

日本銀行が8時50分に発表した7月の企業物価指数は、前年同月比7.2%上昇しました。市場予想の7.4%は下回ったものの、6月の7.3%に続いて高い伸びが続いています。

企業物価指数は、企業同士で取引されるモノの価格を示す指標です。これだけで日銀の利上げが決まるわけではありませんが、企業のコスト上昇が続いていることは、追加利上げを考えるうえで無視できない材料になります。

さらに午後、Bloombergが、政府は日銀の早期利上げを支持しており、9月または10月の利上げが視野に入っていると、複数の関係者の話として報じました。

これは日銀や政府による政策決定の発表ではありません。首相官邸も、具体的な金融政策は日銀に委ねられるべきだとの立場を示しています。

為替市場では報道後、ドル円が159円46銭付近から一時159円18銭まで下落し、円高方向に動きました。ただ、その後は159円台後半から前半で推移し、欧州時間には159円38銭付近まで戻しています。報道だけで円相場の流れが大きく変わったとまでは言えません。

金利は上昇──ただし短期と長期で温度差

国債市場も「すべての年限が同じ強さで利上げを織り込んだ」わけではありません。

フィスコの同一系列で12日と13日を比べると、2年債利回りは1.632%から1.634%へ0.2bp上昇。10年債は2.817%から2.849%へ3.2bp、20年債は3.698%から3.720%へ2.2bp上昇しました。

つまり金利は全体として上昇しましたが、政策金利の見通しを比較的反映しやすい2年債の変化は小幅です。

ここは重要です。

午後の報道によって「9月利上げが一気に確定へ近づいた」と読むより、もともと強まっていた利上げ観測に、企業物価と政府を巡る報道が追加材料として重なったと見る方が実際の値動きに近そうです。

株式市場では銀行業が2.87%高となり、東証33業種で上昇率首位でした。金利上昇が貸出金利や利ざやの改善につながるとの見方から、利上げ観測が銀行株の支援材料として意識されたと考えられます。

朝から変わったのは「日本側」の材料

今朝の朝刊の主役は米CPIでした。

その後の東京市場を見ると、米国側の材料は半導体株高として表れました。一方で、朝8時50分には国内企業物価が発表され、午後には政府と日銀の利上げを巡る報道が加わりました。

日経平均は9時21分にこの日の高値を付けています。午後の利上げ報道が日経平均を押し上げたわけではありません。

むしろReutersは、半導体株の利益確定売りや夏休みを前にした様子見に加え、日銀の早期利上げ観測も上値を抑える材料として意識されたと伝えています。

午前は米国発の半導体株高、午後は日本発の金融政策観測。

この「主役の交代」が、夕方になって初めて見えた今日の市場の姿です。

今夜から確認する3つ

まず、確定している予定です。

日本時間21時30分に米7月生産者物価指数(PPI)と新規失業保険申請件数が発表されます。BLSの発表予定でも、7月PPIは8月13日午前8時30分(米東部時間)の公表予定です。

市場では、CPIに続いてPPIでもインフレ圧力の鈍化が確認できるかが焦点になります。もし物価が予想以上に強ければ、いったん後退した米利上げ警戒が再び意識され、米金利やハイテク株、ドル円が反応する可能性があります。

もう一つは半導体です。Applied Materialsは米国時間13日の取引終了後に2026年度第3四半期決算を発表し、日本時間14日早朝に決算説明会を予定しています。

今日の日経平均を半導体株が大きく押し上げただけに、AI・半導体設備投資の強さが続いているのかは、翌営業日の日本株を見るうえでも重要です。

そして日本側では、2年債利回りやドル円が改めて日銀の9月利上げを強く織り込み始めるかを確認したいところです。

今日の株高だけを見れば「リスクオン」の一日でした。しかし、その内側では米国の利上げ警戒が後退し、日本の利上げ観測が強まっています。

同じ株高の裏で、日米の金融政策は同じ方向を向いていない。

ここを分けて見ることが、明日の相場を読むための一番重要なポイントです。

本記事は情報提供を目的としたものであり、特定の金融商品の売買を推奨するものではありません。

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